2年後にかかってきた電話
投稿:(ニックネーム/いも姉ちゃんさん)
「ひとつの物語」プロジェクト、第6回。一度は諦められた結婚式が、2年の時を経てかたちになったお話です。
結婚式をやるか、やらないか。迷っていたおふたりでした。
ふたりの温度差
ドレスを着たい! みんなに集まってもらえるなんて最高! 写真をたくさん残したい!——結婚式の憧れを、たくさんお聞かせくださる新婦様。その一方で、浮かない表情の新郎様は「結婚式にお金をかけたくない…」と消極的でした。
打ち合わせのテーブルで、片方が夢を語り、片方が黙る。私たちにとっては珍しくない光景ですが、だからといって簡単に埋められるものでもありません。その後も何度もお話をさせていただきましたが、新郎様は前向きになれないまま。
諦めた日
3ヶ月ほどだった頃、おふたりの間に新しい命を授かったとご連絡がありました。新婦様はご予算を心配され、結婚式を諦められました。
おめでたいご報告のはずなのに、電話を切ったあと、しばらく受話器の前から動けませんでした。ドレスの話をされていたときの新婦様の表情が、どうしても頭から離れませんでした。
約2年後の電話
それから約2年後、新郎様からお電話がありました。なんと、結婚式をやろうと思う、とのお話。おふたりは、女の子を授かったそうです。
育児は、毎日が初めてのことの連続だという事。新婦様は慣れない育児を一生懸命やってくれているという事。親になって初めて、子どもの幸せが大切に感じるようになったという事。そして、「いつかはお嫁にいくんだね」と新婦様とお話された事。
あの時ドレスを着せてあげれば良かった。その姿をご両親に見せてあげれば良かった。
そんなお話をしてくださいました。娘さんの花嫁姿を想像したときに初めて、ご自身が奥様から奪ってしまったものの大きさに気づかれたのだと思います。
そして、当日
もちろん新婦様は大変喜ばれ、すぐに結婚式の準備が始まり、当日を迎えました。楽しそうなおふたりの式で、私が一番心に残ったのは、結びの新郎様のご挨拶です。
この人と結婚して良かったと思った 結婚式をして良かったと思った そう思わせてくれた皆様に感謝しています
かつて「お金をかけたくない」とおっしゃっていた方の言葉です。
初心にかえらせてくれる
長い年月を経て、結婚式の意味や価値に気付き、同時に私たちスタッフにもその素晴らしさを気付かせてくれた、このおふたりの結婚式。今でも私を、初心にかえらせてくれます。
「ひとつの物語」プロジェクトについて
結婚式ひとつひとつに、素敵な物語があります。プランナー、ヘアメイク、カメラマン、フローリスト、ドレスコーディネイター、司会、音響、サービス、料理人——それぞれの立場から見た結婚式のエピソードをお寄せください。
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